■池の作り方
●池を作るには…
日本中にはたくさんの池がありますが、ひとつとして同じ池はないと思います。どんな池を作るかは、それぞれ家の構造や位
置、そして庭や空き地の条件によって異なってきます。
池のフローチャート(例)
◆池の場所
1日のうち3〜5時間くらい日光があたり、夕陽がなるべく当たらない位
置が錦鯉の池として適しています。柔らかな朝の日光は池にいくら当たってもかまいませんが、夕方の強い西日に対しては、日覆を設けるなどして、紫外線を多く含んだ直射日光を避けたほうがいいでしょう。
◆池の大きさ
池の大きさは、飼育する鯉の大きさと数とによって異なってきます。大は小をかねるという言葉がありますが、小さいスペースでも十分飼育できます。また、池の水深があまりにも浅いと、昼夜の水温差が大きくなり、鯉にストレスが加わり、病気にもかかりやすくなります。
◆池の形
管理しやすい池の形は、長方形の四隅を丸くかたどった、いわゆる弁当箱型が一番いいとされています。四隅に丸みをつけた形にすると、水が一定方向に回ってよどむ場所がなくなるので、フンやゴミが池底の四隅にたまりません。また、水流をつけることによって、鯉の運動が促進されるという利点もあります。
●池の設備にはどんなものが?
水質が急変したり、1日のうちの水温差が大きすぎると、鯉には負担です。したがって、池の水質が一定になることが大事です。
池作りの際、最も重要視すべき点は、水替えを必要としない池を設計するということです。
夏季になると池の水が濁り、たびたび水替えの必要にせまられる池は、池の作り方やろ過槽などの設備が整っていないからです。
また、多量の水替えは水環境を急激に変えるので、病気の原因になります。
◆ろ過槽
「水作り」には、バクテリアによる水の浄化力を必要とします。ろ過層をできるだけ大きくとる必要がありますが、場所に余裕がない場合は、市販の濾過槽やろ過機を用いれば、場所をとりません。
ろ材としては、以前は砕石が多く利用されていましたが、近年は人工ろ材が主流になってきています。そしてまた、バクテリアの生息する条件を考慮して、表面
積が多く、洗浄しやすいロールろ材が好まれるようになっています。
ろ過には、バクテリアの絶え間ない繁殖を必要とするので、池へのエアレーションは絶対に欠かすことができません。
また、夏場に水温が高くなると、アオコが繁殖する場合があります。アオコそのものが鯉自体を冒すものではありませんが、アオコは酸素不足の原因になりますし、水が青くなると、肝心の鯉が観賞できなくなります。そんな場合、ろ過槽や水路に殺菌灯の設置をおすすめします。
◆新水の補給
新水の補給量は、池の循環ろ過システムが完備してあれば少しの量でOKです。また、新水の量が一定でなかったり、新水の入れすぎは病気になる原因の一つですので注意してください。新水の種類は、適応性が高い鯉のことですから地下水、水道水などで十分です。
◆越冬設備
鯉は水温が8度以下になると池底に沈んでじっとしたまま動かなくなりますが、この状態を指して鯉が冬眠状態に入ったといいます。
冬眠は、鯉の生理現象のひとつですから、自然に逆らわずに越冬させてもいいでしょう。また、ヒーターなどを使用して暖めてやれば楽に越冬させることができ、冬の間も餌をやったり、泳ぎ回る姿を観賞する楽しみも増えます。
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